皆様こんにちは、山中でございます。私共のオンライン自習室。昨日の読売朝刊に続いて、本日は神戸新聞にて掲載していただいているようです。わが家の次男を見ていても、学習習慣(次男は元々ない。笑)の崩れは深刻です。期間限定で、無償でお使いいただけます。是非、ご親戚やお友達に教えてあげてください。世界どこからでも可能です。便利な時代ですね。

 

さて、最近は読書の時間が増えてまいりました。こんな時代だからこそ、普段は難しくてじっくり読みづらい本を読んでいます。故、安岡正篤先生。かの昭和天皇が発せられた玉音放送をさん修された方で、歴代総理大臣はじめ、大手財閥系経営者たちに、思想家として多くの影響を与えた大物です。その思想は陽明学他、東洋哲学が軸となっています。今、読んでも新鮮で、考えさせられるフレーズ。いくつかピックアップしてご紹介させていただきます。

 

「今の世に処して何らかの不安焦燥を感ぜぬ者はいないが、自己を棚上げしている限りは絶対に救われません。もっと真剣に自己に対しなければならぬ。」

 

「民衆の指導階級たるの責務は実に想い。しかも区々たる恥は知り得ても、畏るべき国恥を解する者は稀である。(中略)国家の存亡する所以は道徳の浅深にあって、いたずらな力の強弱にあるのではない。(後略)」

 

「およそ文明が爛熟し、人間精神が弛緩して来ると、必ず先ず人間の姿態が崩れ、一体に風俗が惰弱に為り、華奢を誇るものである。」

 

「人間の自由を求めて文明を発達させたはずの人間が、いつのまにか近代文明の組織的発展に自由を失ってしまっている愚かさに、なかなか気がつかないのです。」

 

「本当に練りつめて、徳を積めば、人格と雖も一つの芸術であります。そういう人とは、なんとなく一緒におりたい。だから決して寂しくない。これを『徳は孤ならず、必ず隣有り』というのであります。儒だの禅だのなんだのと言うけれども、そういうことは枝葉末節のこと、本当に道に入れば、みな同じことであります。」

 

「人間の知識とか才能とかいうものは徳の微なるものであって、その能力の極めて末梢的な知性や技術も、人間の徳性とよく結びついておってこそはじめて明徳であり、貴いものでありますが、徳性から遊離してしまって、異端邪説を振り廻すようになると、これは有害なものになってしまう。」

 

いかがでしょうか。もう何十年も前に残された言葉です。孔子が生きた時代からはるか数千年間、人間は成長していないことに気がつきますね。(笑) 本質の大切さに気がついたと思っても、ついつい本質から外れて枝葉だけを追いかける。勉強も、経済社会もそれを繰り返していますね。

 

戦後から75年、どんどん失われて行った日本人の道徳観。しかしながら、まだ遺伝子として受け継いでいる今こそ、大切な本質を子どもたちに伝えてほしい。そう思います。資源のない島国が、それを失ってしまっては滅びるのを待つのみ。テストの点数よりも大切な徳。そこを忘れてはいけないことをローマ帝国も教えてくれているはずなのに。人類は愚かですね。

 

先が予測しにくい今、古典がお薦めです。

 

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